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須磨日帰り旅行記

1.芭蕉と義仲の会
 「芭蕉と義仲の会」は春は芭蕉ゆかりの地、秋は義仲ゆかりの地を訪ねます。今回は須磨方面へバス旅行でした。俳句も読まず(読めず?)芭蕉や義仲よりも楽しみはビールという会員さんも多いのですが、その邪まな心がけにもかかわらず絶好の好天気に恵まれました。
 今回初めて参加された女性から鋭い質問がありました。「この会の皆さんは全員俳句を詠むのですか?」「大丈夫ですよ詠みたい人は詠んだらいいし、飲みたい人は飲んだらいいし。」何とも素晴らしい回答です。

2.敦盛塚
 この辺りは山が海岸近くまで迫っていて交通の要所です。須磨の関所としても有名です。また風光明媚で温暖な気候も評判が高く多くの文人が療養に訪れた土地でもあったらしい。芭蕉を筆頭に正岡子規、与謝蕪村、高浜虚子など多くの歌碑や句碑が残っているのも頷けるところです。しかしながら源平合戦以前からこの土地は畿内と西国との境に位置して寂しい場所でもありました。
 一番最初は敦盛塚。ガイドの方の説明がまた素晴らしい。敦盛を供養する五輪塔には難しい文字が書いてありました。そこにいきなり質問が飛びました。「梵字は何と書いてあるのですか?」(ん!梵字?) 「空、風、火、水、地です」とガイドさんが答えました。さすがに会員のレベルは高い。格調高い会ですなあ。
 沖の船に向かう美少年平敦盛。呼び戻す熊谷直実。応じて戻る敦盛も武士道の男なら、捕らえたものの息子と同じくらいの若き少年と知るや何とか逃がしてやろうと腐心する直実も義の男。あとから作った話ですね。きっと。誠にうまくできています。

3.現光寺
 源氏物語・須磨の巻ゆかりの寺。かつては源氏寺とも言われました。「見渡せば ながむれば 見れば 須磨の秋 」芭蕉の句碑があります。「芭蕉の句は秋が多い。春には芭蕉。秋には義仲。これを逆にしてはどうか?」という会員さんの声もありました。

4.須磨離宮公園
 明治時代には皇室のための別荘として華やかなスタートでしたが、離宮は太平洋戦争で消失しさらに戦後は一時期アメリカ軍の占領地となったという暗い歴史も併せ持っています。 今やヨーロッパ調の庭園や植物園は神戸市民に親しまれています。

5.須磨寺
 神戸市では1、2を争う名刹で立派なお寺でした。前述の敦盛と直実の一騎打ちの像も印象に残りました。敦盛の遺品として伝わる「青葉の笛」が宝物殿に所蔵されています。「陣中に聞こえたあの美しい笛の音は敦盛のものであったにちがいない!」と直実は無常を感じて後に出家します。「須磨寺やふかぬ笛きく木下闇」 芭蕉。

6.シーパル須磨
 正式名称は神戸市国民宿舎須磨荘といいます。阪神大震災では旧建物が大きな被害を受けましたが幸いにも死傷者はなかったとか。現在の建物は震災後に完成しました。さてさて皆さんお土産を選ぶのに慎重でした。危うく記念撮影に遅れそうな人もおられました。

7.俳句で盛り上がった帰路
 帰路のバスの中。藤野鶴山先生の絶妙な批評で落とされていく迷句。すっかり恒例になりました。私も普段は俳句のハの字も出ない生活をしていますが、賞品獲得に向けてなんとか五七五を無理やりにひねり出しました。しかしながら、案の定一次予選であえなく落選。この会はやはり俳句を楽しむ会でもあり、歴史に親しむ会でもあり、人それぞれにが楽しみ方がある所がいいですね。長続きの大きな要因はそんなところにあるとあらためて感じました。

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